薄明の飛翔
本作のモチーフはクロアゲハ。
命ある時間を全うするその瞬間まで、力強く生きるその姿にスポットを当てた。
翅がボロボロになっても尚、羽ばたく光景は美しいなと感じ、時間をテーマに制作しました。
木象嵌で模様を表現したクロアゲハは、下から覗いた時にその模様を観察できる。
台座は木に膠と絵具で石のような風合いに仕上げました。生を象徴した蝶に対して、生命観の無い無機質な石を台座に用いることで、
蝶を引き立てるよう考えました。蝶と釣り合うよう、石も経年で砂埃や風雨で劣化したような仕上りを意識し、”時間”というもので共通点をとっています。